2012年の調査において、65歳以上で認知症と診断された人は、462万人(7人に1人)でしたが、
2025年には約700万人、割合として5人に1人が認知症になると予想されています。
最近の研究では、「お口の健康」と「認知症」に関係があるのではないかといわれています。
認知症の原因の一つとして考えられているのが、アミロイドβというタンパク質です。
このタンパク質が脳内にたまることで、脳の神経細胞が死んでしまいます。
脳の神経細胞が死んでしまうと、脳内で情報を伝える物質が少なくなり、その結果、物忘れが出たり、正常な判断が難しくなったりします。
では、「噛み合わせ」「噛むことができること」は、どのように「認知症」と関係してくるのでしょうか。
マウスでの研究結果によると、歯を無くしたマウス、すなわち、「噛むことができない」マウスは、
脳内の情報を伝える物質が、通常の「噛むことができる」マウスよりも、少なくなることが報告されています。
また、柔らかいものしか食べられなかったマウスも、同じことが報告されています。
つまり、噛めないことが、アミロイドβが脳内にたまっている時と同じ状況を、脳内に引き起こしているのです。
以上から、「噛み合わせ」「噛むことができること」は、日常の食事だけでなく、身体全体の健康にも大きな影響を与えることがわかります。
そのため、「お口の健康」を維持することがとても大切です。歯がない状態や、噛みにくい状態を放っておくのは危険です。