日本歯周病学会から、糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン2023が発行されました。
様々な論文が発表されていますが、研究方法によって、同じ内容の論題でも結果が異なる場合があります。ガイドラインとは、それらの多くの同じ論題の論文を集めて、研究方法や内容の妥当性を詳しく調べて、取りまとめたものになります。ですから、ガイドラインは内容は非常に信頼度が高いものです。
内容に関しまして、かなり端折って説明しますと。
・糖尿病で、歯周病は発生頻度は増えるし、増悪する。
・高齢者の歯周病の方は、血糖の管理が悪いと、歯周病が重篤化しやすい。
・高齢者の歯周病患者さんの歯周病の治りやすいさは、血糖の管理に依存する。
・歯周病も糖尿病も罹患している人は、歯周病の治療を行うことで、糖尿病の状態が改善する。
・糖尿病患者さんの定期検診の間隔は、3ヶ月よりも短くすることが推奨される。
・糖尿病患者さんのインプラント治療は、健常な方と比較して、生存時間や動揺は差はないが、インプラントの周りの骨が溶けやすいという報告があるので、注意しないといけない。
まだ、項目はありますが、このような内容が記載されています。
ガイドラインは、数年おきに改定され、最新の論文や研究が反映された状態になります。
なかなか、多くの論文に目を通し、吟味することは難しく、このガイドラインは、臨床上、大きな指針になります。